鎌倉もののふ風土記-鎌倉の地勢

鎌倉もののふ風土記-鎌倉の地勢

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地形

鎌倉市は、神奈川県の南東、三浦半島の基部に位置します。
東は逗子市・横浜市金沢区、北は横浜市戸塚区・横浜市栄区、西は藤沢市に接し、南西には相模湾がひらけています。
市域は東西8.7km、南北5.2kmと東西に長く、烏帽子をかぶった白拍子がひざまずいたようなかたちをしており、面積は39.53k㎡、神奈川県全体のおよそ60分の1の広さを占めます。
鎌倉は大きく次の5つの地域に分けられます。
若宮大路を中心に広がる市街地区である鎌倉地域、漁業を中心に栄え、現在は住宅地となっている腰越地域、田園地帯から住宅地そして工場の立ち並ぶ深沢地域、住宅地であり商工業の活発な大船地域、住宅地と農地が多く残る玉縄地域です。
鎌倉の地形は、北を背にし、東と西の三方を山々で囲まれ、南側が海に面してひらけており、ちょうど「かまど」のようなかたちをしています。
低い山が連なり、最も高いものでも標高160mほどです。
鶴岡八幡宮を中心にして鎌倉市街の西側ほぼ中央に源氏山(92.6m)、その尾根が西南に延びて海岸近くで稲村ヶ崎となります。
北には六国見山(147.4m)、東に延びて鷲峰山(127.9m)、大平山(159.2m)、天台山(141.4m)などがあります。
また東南には衣張山(120.2m)、浅間山(およそ120m)、名越山(およそ90m)などがあり、飯島の岬、飯島ヶ崎となっています。
地形の特色として、山々の間に谷戸と呼ばれる谷間が多いことがあげられます。
谷戸は、泥岩や砂岩、凝灰岩(地元では「鎌倉石」と呼ぶ)からなる丘陵で、地震などによる地形の変化、海水や河川の浸食などで徐々に削られてできました。
大船・玉縄・深沢・腰越地域も山や谷戸の多い地形で、今泉は十二所・二階堂といった丘陵の北側に位置しています。
岩瀬・大船は砂押川・柏尾川の河川周辺に広がった鎌倉で最も広い平地となっています。
大船から柏尾川の東側には台・山崎・上町屋などの台地がつづき、柏尾川の西側は岡本・城廻・関谷といった台地と谷戸のある地形です。
深沢の常盤・寺分・笛田・手広は大船についで広い平地です。
極楽寺・七里ヶ浜につづく腰越は、南北に神戸川が流れ、台地や平地がある地域で海岸につづいています。
鎌倉のおもな川は、柏尾川(20.9km)と滑川(5.6km)です。
鎌倉で最も大きく長い川である柏尾川は、横浜市港南区野庭付近を水源として戸塚から大路の低地帯を流れ、藤沢市村岡をへて境川と合流して相模湾にそそいでいます。
蛇行して流れる柏尾川は、以前は氾濫など水害が多かったですが、改修工事が行われてから水害は少なくなりました。
滑川は、朝比奈峠付近を水源として、十二所・浄明寺・二階堂・雪ノ下・小町・大町・材木座と鎌倉市街を流れて由比ヶ浜にそそいでいます。
多くの支流をもち場所によって呼び名が変わります。
上流から太刀洗水・胡桃川・滑川・坐禅川・夷堂川・炭売川(墨売川)・閻魔川と名を変え海にそそぎます。
鎌倉時代には、船で石や木材を鶴岡八幡宮付近まで運ぶのに利用されていたようです。
海岸は、相模湾に面して南西にひらけ、湾内は波も穏やかです。
坂ノ下から材木座(和賀)海岸の飯島の岬の間の弓形の海岸を由比ヶ浜(前浜・西浜)と呼び、稲村ヶ崎から腰越の小動岬までを七里ヶ浜と呼んでいます。
入江については歴史・旧跡-鎌倉の入江ページを参照ください。

気候

鎌倉の気候は、三方を山に囲まれ、南側が海に面しているという地形の影響を強く受けています。
冬の冷たい北東風は丘陵にさえぎられ、夏の涼しい南西風は海から吹いてくるため、冬は暖かく、夏は涼しくすごしやすいです。
また、海水温の年較差もおよそ11℃(8月の海水温25℃、2月の海水温14℃)と小さいため、たとえば厚木や相模原など県内の内陸地方と比べ、年間の気温較差が小さく、温暖な気候に恵まれた地域といえます。
風向は、季節風の影響もあって夏は南の風、冬は北の風が吹くことが多いです。
これは年間をつうじての傾向ともいえ、昼は海風、夜は陸風が吹きます。特に夏はこの傾向が強いす。

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