鎌倉もののふ風土記-鎌倉と文庫
鎌倉には文庫がいくつかあります。
代表的な文庫は、金沢文庫です。金沢文庫は鎌倉中期の武将北條実時が建設した武家の文庫です。日本の初期における私設図書館とも位置づけられています。
北條氏の一族である佐介氏も金沢文庫と同時期に建設されています。佐介文庫は松谷文庫・佐介松谷文庫などともいわれています。昭和5年に金沢文庫に伝わる仏教書物の由緒書きによって発見されましたが、規模や存続した期間など詳細は不明です。現在の鎌倉市佐助の松が枝・松が谷など遺名があります。
近代には、東慶寺に松岡文庫(松ヶ岡文庫)が建設されています。禅を世界的に広めた功労者として著名な鈴木大拙の収集した仏教書を収めた文庫で、東慶寺に隣接しています。
また、鶴岡八幡宮にも鶴岡文庫という図書館があります。ここでは鶴岡八幡宮所蔵の古文書のほか、鶴岡八幡宮や神社神道について、また鎌倉の歴史や文化に関する資料の収集も行われています。
さらに、亀谷に田中智学の獅子王文庫があります。田中智学は第二次世界大戦前の日本の宗教家で、亀谷切通下には田中智学師子王文庫趾の石碑が建っています。
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