鎌倉の名数-鎌倉四境(四角四鏡祭)
『鏡』の元仁元年(1224年)12月26日條には、陰陽道における除災の儀式の1つ「四角四鏡鬼気祭」が「東六浦・南小壺・西稲村崎・北山内」で行われ、嘉禎元年(1235年)12月20日條に鎌倉の四境を「北巨福呂坂・南小壺・東六浦・西固瀬河」と記し、鎌倉の四境で四角四鏡祭を行っていたことが分かります。
鎌倉には七瀬(由比ヶ浜・金洗沢池・方瀬川・六浦・㹨川・杜戸・江島竜穴)の霊所があり、除災・祈雨・安産・治病などの祈願のため行われたお祓いとともに、陰陽道の災いを除く儀式に四角四境祭があり、鎌倉の四方の境で悪疫・悪霊の侵入を防ぐために行う祭でもあります。天皇の除災を目的として、禍を負わせた人形を7人の勅使に命じて7ヶ所の河海の岸にもたせて祓をした例を模したものです。雨乞いなどもその1つです。
坂下御霊神社は稲村を越えきった道が鎌倉の前面にひろがる由比ヶ浜に入るところにあります。由比ヶ浜は埋め立てによって旧状が著しく変わってしまったが、以前はもっと山寄りにありました。由比ヶ浜沿いに鎌倉への入口にあたる稲村道があり、そこから御霊神社への参道が一直線にあります。京都・鎌倉往還から鎌倉へ出入りするとき、人々は御霊神社門前を必ず通ったのです。
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