鎌倉の名数-鎌倉七水
「鎌倉五名水」と「鎌倉十井」が成立する以前には聖数の「七水」という名数がありました。
『玉舟和尚鎌倉記』では「七水」として金龍水・扇ノ井・星月夜・部屋ノ井・鉄ノ井・飯島ノ井をあげていますが、7つめの井名は不記でした。
『金兼藁』でも「七水」として鉄井・亀井・部屋井・醒井・閼伽井・扇井・六角井・星井をあげていますが、こちらは8つもあげられています。
海に近い鎌倉では海水の影響を受けて水質が悪く、良水は貴重視されました。
1 | 泉ノ井 | |||
2 | 扇ノ井 | |||
3 | 甘露ノ井 | |||
4 | 鉄ノ井 | |||
5 | 底脱ノ井 | |||
6 | 銚子ノ井(石ノ井) | |||
7 | 瓶ノ井(甕ノ井) | |||
8 | 星ノ井(星月夜ノ井) | |||
9 | 棟立ノ井(破風ノ井) | |||
10 | 六角ノ井(矢ノ根ノ井) | |||
11 | 金龍水 | |||
12 | 部屋ノ井 | |||
13 | 飯島ノ井 | |||
14 | 亀井 | |||
15 | 醒ノ井 | |||
16 | 閼伽井 | |||
17 | 不老水 | |||
18 | 銭洗水 | |||
19 | 日蓮乞水 | |||
20 | 梶原太刀洗水 |
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部屋ノ井は、『風土記稿』に大町傘町の北裏にあって四方を石でつくると記され、寛永末年(1644年)ころの『玉舟記』に鎌倉七水の1つとして「ベヤノ井 本町ミダレ橋ノワキニアリ」と記されています。万治2年(1659年)の紀行文『金兼藁』も鎌倉七水の1つにあげ、名の由来を「独処燕居之所」と記し、独り安らかにくつろぐ所の意味をあげています。江戸時代の『鎌倉絵図』では大町田代観音付近に描かれています。
飯島ノ井・亀井・醒井・閼伽井は現在調査中です。
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